──暗闇の隅で、うずくまっていた奏矢の姿が焼き付いて離れない。
あの雨の夜……ここに連れてきた時の姿を彷彿とさせるような姿。
あんな両手で顔を覆って、座り込むほどのこと……何があったの?
……誰かに何か言われただけでは、奏矢は折れない。むしろ噛みついてやるってくらい文句を言うタイプ。
なのに……
『ん……は?あ?だめに決まってんだろ。かわれ』
ダンスの時にどこか変だったのは、すでに何かあったから?
矢絃も変だと言っていたけど、その口ぶり的に何も知らない……ってこと。
ほとんど一緒にいる矢絃でさえ、気づかない何かがあって、
それを佐藤に打ち明けていた?
だとすれば、話を聞いた佐藤が私に首を振ったことも戸を閉めたことも、合点がいく。
心配、させないようにっていう、気遣いが。
でも、
打ち明ける相手は、私じゃダメだったのかな。
矢絃だっていい。
いつもそばにいる私たちじゃ、力になれないってこと……?
考えれば、考えるほどにマイナス指向に傾いて、それを断ち切るため頬を叩き思いきり布団をかぶった──



