いつもなら制服のポケットに入れてるから出し忘れとかないのに──
きっとなにかと動揺しているから、変なことするのよね……。
いくら恋愛絡みのことが自分におきていてもしっかりしなきゃダメだ。
ひとり反省しながら暗いランドリールームの戸を開けば、
「っ──!?」
手に持っていたハンカチは手から滑り落ちていった。
暗い空間の一番奥に、顔を覆い床にうずくまる奏矢の姿があったから。
「奏──」
「お嬢様、それはお預かり致します」
「佐藤……っ」
私の視界を遮るように、ランドリールームの入口から佐藤が顔を出し、口元に指を立てられ、首を横に振られた。
何も言わないで、聞かないで、と佐藤の目は私にうったえる。
驚きながら『でもっ』と目を泳がせ奏矢を見るも、佐藤に落としたハンカチを拾われ、一礼されながら戸が閉められてしまった──
──なんで?
──どうして?
──なにがあったの?
目の前で閉められた戸を見つめながら立ち尽くすも、奏矢のそばに行くことが出来ないまま、私は部屋へと戻った。



