重いけどいいの?お嬢サマ



**



入浴を済ませてから、なんとなく家の中を彷徨いてみたけれど、奏矢との遭遇は叶わず。

こういう時、広いとある意味不便ね。


すれ違いで部屋に戻っているかもしれないと思い、押しかけようと頭を過ぎるもやめておいた。
居たらいたで、安心すると同時にまた慌てる自分をさらしたくはなくて。


「でも……せめて、姿だけでもと思ったのにな」


後ろ姿でもなんでも。

だけどお風呂上がりにずっとウロウロしていて、佐藤に見つかったら怒られてしまう。


"湯冷めしてしまいますよ"って。


明日、起きれば顔を合わせるのだし今は諦めて部屋に戻ることにした。


ちょっと嫌だけど……。寝ないといけないから。



──見つけられなかった佐藤にも、奏矢にもお休みとメッセージを送れば、ほぼ同時に返事が来て。


"おやすみ"

"お休みなさいませ"


奏矢のメッセージのそっけなさは、いつもと変わらない。矢絃と違って、あまりスタンプとか使わないから。

そして矢絃からも本当にスタンプだけが送られてきたからお休みと返し、忘れていた明日の用意をすることに。


「えっと……って、あ」


鞄のチャックを開ければ、出し忘れてしまったハンカチとご対面した。

……ハンカチの替えはいくらでもあるから、これは洗濯に出してこよう。