──『待ってれば、そのうちオジョーの部屋に来るんじゃない?』なんて矢絃が言うから、矢絃のゲームに付き合いながら奏矢が来るのを待つも、奏矢が来る気配はなかった。
「……全然来ないし、何してんだろ。しかもオジョー、そろそろお風呂だよね。仕方ないからオレも明日寮に戻る準備でもしよっかな」
どっこいせ、とずっと座りっぱなしだった腰を叩きながら矢絃は立ち上がる。
スマホをポケットにしまいながら、ドアの方へと歩いていくのを目で追っていれば、矢絃が振り向いた。
「ゲーム、付き合ってくれてありがと。二人で過ごせたし満足したから、寝る時はスタンプだけ送ることにするね」
「分かった。……お休み」
「ん、お休み」
ひらひらと手を振りながらゆっくりとドアが閉まる。
「……はぁ」
私も、矢絃みたいに暇、とか言いながら奏矢が来ると思っていたけれど……全然来なくて、珍しいとか通り越して心配になってきた。
「でも、何かあれば今は佐藤が教えてくれるはず……」
ひとり、唸りながら考えても答えは出るわけもなく……明日も早いわけだし、お風呂に行かないと。
伸びをしながら立ち上がり、タンスをテキトウに漁り着替えを持って、部屋を出た。



