そういえば、昨日は帰ってきてから一度も私の部屋に顔を出さなかった。
暇だーとか、構えーとかもなくて。
お休みの言葉も聞いてない。
それに、ダンスの時もぼうっとしてたし……今日だって、食事の後から奏矢を見かけていない。
私が部屋からあまり出ていないせいもあるかもしれないけども。
「……奏矢だけ仕事中、とか?」
「すぐ、だりぃとか言うのに?してないと思うけど。それならオレもしてないといけないし」
「そうよね……」
確かに、矢絃だけ無しなんてことはない。
ならなんなんだろう。
シューティングゲームの音を耳にしながら、奏矢は何をしているのか考える。
奏矢が私の部屋に居ると矢絃が思ったってことは、部屋にはいないってことで。
同じ執事なのに、矢絃は奏矢が何してるか知らなくて。
……まあ、今は執事だけど学生でもあるから、寮ではないし家ではある程度の自由は許されている。だから、好きに過ごすことに口出しはしたくはない。
ほんとのところは……気にはなるけど。
「ま、奏矢のことだから佐藤さんの手伝いとか、普通に佐藤さんと日常話でもしてんじゃない?」
ああ……佐藤。
佐藤といるなら見かけないのも分かる。一番動き回っているのは佐藤だから。



