──それから、お菓子をつまみつつ、学園での話や寮にいる時、奏矢や秋葉さんたちどどんなことをしているのか、私と慧でいる時は何をしてるかいろんな話に花が咲いていた。
「……あ、いつの間にか食べ終わった全部」
「私はほとんど食べてないからね?」
「やっぱ足りなかった……」
何かしら残っていないか、空の袋を漁るも食べてしまえばなくなるわけで。矢絃は仕方なくビニール袋に片付けていく。
その間、話してる最中に枕元に置いたスマホへと目をやるも、あれから奏矢からは何もきていない。
不機嫌のまま放置してるわけだし、一言くらい返したほうがいい気もするけど……。
「……ねぇ、矢絃。奏矢は一人で大丈夫そうだった?」
「奏矢?……ほんとにオジョーの部屋に行くのか、みたいなことは言われたけど、別に一人で寝れないような歳じゃないでしょ」
それを言われれば、確かにとは思う。
口は悪くてもしっかりしている奏矢だし、一日くらいならって。
けどそう思う反面、ほとんど矢絃と離れる機会がなかったのに、一人にして大丈夫なのか気にしてしまう。
「寝れないわけじゃないと思うわ。ただ、寮の部屋で執事が一人で過ごすことなんて滅多にないから、それを有意義と捉えるかそうでないか気になったの」



