来るかもしれない痛みと、今の声の主である春夏冬さんが助けてくれる気持ちハーフ&ハーフで目を瞑れば、後ろでものすごい音がした。

それの同時に椅子が途中で止まったことで目を開けると……


「……っぶね……焦らせらんなよっ」
「オジョーギリセーフっ……でもオレの心臓爆速」


汗を滲ませる奏矢と矢絃が逆さまにうつった。


「あ、ありがと」


椅子をもとに戻してもらい、慧がごめんと連呼して離れていく。
でも、あの後ろでした音は一体……?


後ろを見れば、床にうつ伏せ状態の春夏冬さんがいた。


「えっ春夏冬さん!?」


思わず立ち上がるも、春夏冬さんが顔を上げて笑うものだからとりあえず一安心。


「って、笑ってる場合じゃない!慧お嬢様は!?」

「無事ですよ。立てますか春夏冬」

「良かったぁ……立てます!元気です!」


秋葉さんの手を借り、立ち上がる春夏冬さんは反省する慧を見て胸を撫でる。……が、秋葉さんは黒い笑みを浮かべた。


「慧お嬢様」

「なんだっ……はい」

「今の危険な場面を作り出したのは紛れもなくお嬢様ですね」

「う、はい」

「奏矢さんと矢絃さんがいなければ、一条様もお怪我されていたかもしれません。……今回は偶々私たちが来たから大事には至りませんでしたが、お気をつけを」


はい、としか言えない慧に秋葉さんのプチお説教は終わった。と思いきや、原因を追求されることに。まだお説教は終わらなそう。