「……でもな、交流会が終わってからチラホラと噂が流れ出しているだろ?どっかのクラスのお嬢様とお坊ちゃんがーとかさ」

「ああ、確かに耳にするわ。うまくいっていて何よりね」


全くもってどうでもいい、そんなことを思いながら紅茶を飲んだ。
交流会なんて言葉を聞いただけで、未だあのお坊ちゃんの顔が浮かんできて、顔には出さずとも心の中ではイライラが募る。顔に出してもいいのならすごい顔つきになるのが分かるくらい。


「よそはよそだもんな。けどな美青、わたしが気になるのはそこじゃない。……そのお嬢様たちが廊下やら噴水前やら所構わず"恋バナ"ってやつをしているのが気になる」

「……はい?」


急に小声で言われ、眉を寄せる。

恋バナ……いわゆる恋愛話は女子にはつきものとは思っているけれど、私も慧もそこのところに興味が薄いというか、疎い。


「なによ……話に混ざりたいならお嬢様にまざればいいじゃない?」

「違う、そういうことじゃない」

「じゃあなに、もしかして同じことをしてみたいとか言わないで、しょ……」


言い終える前に慧の目は輝いていて、言葉をのむ。