**
お坊ちゃんとのゴタゴタも片付き、私やかなやいの口調についての噂も落ち着きを取り戻した頃──
奏矢に続き、矢絃までが勝負のお礼を保留にしていたけれど、ようやく決まったと朝の五時過ぎに私のそばまで来て伝えに来た。
「……オジョー、オレお礼何するか決めたから起きて聞いて」
「なにも朝っぱらから来なくてもいいじゃない……どうせあと少ししたら起こしに来たでしょうに」
眠い目を擦り、布団を背中にかけながら起きれば、矢絃は私の前に座った。
「一応聞くけど何にしたの。ゲーム?」
奏矢はあれから全然考えてる素振りは見せなくなったけど、矢絃はずっと候補がありすぎて悩むって、暇さえあれば絞り込もうとしていた。
何をそんな候補があったのか、分からないけど。
「ゲームじゃないよ。オレは……」
"オジョーと二人で寝たい"
寝る?
「……時折、お菓子パーティーとか川の字してるじゃない」
「はぁ……ちゃんと聞いてた?二人でって言ったでしょ、オレ」
寝起きの頭では理解に乏しかったようで、ため息をつかれてしまった。
そのことにむっとしつつも、矢絃の言ったことを頭の中で反芻すれば、理解が追いついてきて……
「え、二人?いや、それはちょっと……というか奏矢もそしたら来るでしょ」
「いつも出来ないことだから、したいんじゃん」



