隣に座るのはまぁいいとして、奏矢がこっち向きで座るからなんとも……それに何も話さないと席を立ちたくなるから話題、話題……。
「あ、あー……」
「ん?なんだよ」
「その……あ!そう、勝利をおさめた二人には何かお礼をと思って、考えといて欲しいの。何か欲しいものとか行きたいとことか。後で矢絃にも伝えるけど」
良かった。ちゃんと話題があって。
「お礼って……そもそも、勝負ってのは俺が勝手に言い出したんだぜ?それでもいいのかよ」
「い、いいの。私の中の限度を超えないものなら」
「……限度、ね。ま、思いついたら言うわ」
「分かった」
……って、あれ?会話終了では?
矢絃は未だ寝てるから何も言ってくれないし、奏矢は……欲しいものを考えてるのか俯いてる。
あえて沈黙の時を過ごすのがいい?
というか、私はなんでこんなこと悩んでるの?
いつもならいっさい考えやしないのに。
「……なぁ」
「なにっ」
「本当にもうよその男との縁談とか来ねぇんだよな?」
「ないわ。そのための勝負だったのよ?なのに寄越したらなんの意味もなくなってしまうわ」
「そうだよな……」
嫌な事が起きなくなることにスッキリしたはずなのに、奏矢は何故かなんか浮かない感じ。



