──佐藤が部屋をあとにするなり、すぐ入れかわりでかなやいが入ってきた。
「よ」
「やほー」
「……珍しい。もうお風呂に入ってきたなんて」
執事はこんな時間に入らないのだけど。
佐藤からのお許しがあるのね、きっと。
それに二人とも、髪が濡れていて肩にかけるタオルもだらしなくぶら下がっている。
「んもう、なんで乾かしてこないの?」
椅子から立って、棚からドライヤーを取り出しベッドへ座るよう促せば、二人並んでベッドに腰かけた。
──随分と素直だこと……。
「いーじゃん、乾かしてもらいたかったんだもん」
「チェス、俺ら頑張ったしなぁ」
かなやいの髪を同時に乾かしながら、はいはいと言うことを聞いてプチご奉仕……ってわけでもないけど、ちゃんと私も主としてお礼をしなければならない、とは思っている。
勿論、今髪を乾かしてるのはノーカンで。
「……あー自分でやらないってサイコーだよね、かなやぁ」
「だな」
乾かすのはいい。でも……矢絃の頭が揺れてない?
後ろから覗けば、半分寝ていた。
「矢絃?寝ないでよ?」
「がってんのすけ」
なによ、がってんのすけって。しょうちはどこよ。
そんなことを思いながらも、二人の髪をきちんと乾かすことができ、ドライヤーをしまった。



