「……へぇ」
中は言わずもがな、綺麗の一言に尽きる。
段ボールひとつない、整頓された部屋。
一人部屋にしては、持て余しそうな広さにダブルベッド。シングルで駄目だったのか?とひとり眉を寄せる。
「ほんとに綺麗ね。じゃあまず先に着替えを済ませるから二人は──」
「その前に一つ、聞きたいことがあるんですが」
クロゼットに手をかけたところで、奏矢が後ろから近づいてきた。
「聞きたいこと?」
「……同じく」
振り向けば、どうやら矢絃も私に聞きたいことがあるらしく、ゆっくりと歩み寄ってくる。
だから、クロゼットの取っ手から手を離し二人に向き直れば、奏矢が浮かない顔で尋ねてきた。
「午後、会った時から思ってたんですが」
「ずっと何か考えてるような、そんな顔してます……」
矢絃も控えめにどうしたのか、そう言いたげ。
四天王のこと……そんなに顔に出していたつもりはないんだけど。でもこの二人にはばれてしまったってことか。
「実は──」



