──となれば始めようと、慧に連れられ部屋の外へ。
隣で思いきり息を吸い込み始める慧は秋葉さんたちのいる方へと叫んだ。
「あーきーばぁー!!あきなぁーし!!」
「ちょっ、そんな叫ぶことな──」
「チェス道具を持ってこっちにこぉーい!!」
執事フロアまで……というか全部屋に響きそうな声が突き抜ければ、
『はいお嬢様』
『っとと、はい!今参ります!!』
すぐさまあいた秋葉さんたちの部屋の扉。
チェス道具一式を手にスマートに出てきた秋葉さんと、靴が履ききれていない春夏冬さんがこちらに届くように返事をしながら出てきた。
……にしても、あんな大声で呼ぶなんて微塵も思っていなかったわ。
それが慧、って感じだけど。
って……慧が秋葉さんたちを呼んだから奏矢たちまで出てきちゃった。
私もいると確認した二人は、秋葉さんたちの後ろからついてくる。
「お、美形くんたちも来たな。まさに一石二鳥!」
「それもそうね」
部屋にストッパーをかけて、私と慧は先に部屋の中へと入った。



