「しっかり顔を上げて胸を張りなさい。なにも間違っていないと。口調はどうであれ、自分の執事のためにした行動と言動に。……佐藤はお嬢様を誇りに思いますよ。強いお姿を見せていただけたのですから」
まさか、胸を張れ、誇りに思う、なんて言われるとは思ってなかった。
佐藤からもお小言をもらうと思っていたのに。
真逆の言葉を佐藤は私にくれた。
「それに、お嬢様の執事はどうでしょう。ご覧下さい」
ゆっくりと奏矢と矢絃の方へ、視線を動かせば、
「今だけ……佐藤さんの前だけど。……すっげぇ嬉しかった。嬉しかったなんて一言で表せねぇくらいに」
「オレも。スカッした。それに口調面白かったし。オレの推しオジョー最高」
少し照れ気味の奏矢に、グッジョブと指を立てる矢絃。
「俺らが何を言われても……例え後ろゆびさされても、俺も矢絃も、美青お嬢様のそばにいれることが幸せなんだって。生きてて良かったって改めて思った」
「うん、オレも。オレのオジョー最高最強じゃんって思ったし」



