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はぁあ……帰りたい。
私と慧にとって嫌な一日の幕開け。
学園のダンスホールを豪華に飾った、
【秋の交流会】。
朝から気合いの入ったお嬢様お坊ちゃん方が入り乱れ、人酔いしそうなくらい。
ちょっとしたアナウンスが流れてすぐ、綺麗なメロディが流され、もうすでに一対一の会話に持ち込んだ人もいる。
わからん。この交流会の楽しさが。
「美青っ、これうまい!」
こちらは開始の合図から皿に山盛りのお肉をのせる慧。お坊ちゃん方には目もくれぬ様子。
爆食を決め込んで来たから、これでいいんだろう。
「私も食べる」
慧に勧められるがままに皿にのせ、ただ食事を楽しむ。
──はやく時間が過ぎればいいのに。
つまらなそうに咀嚼する私を、遠くの方にある執事長枠の席に座る佐藤は眉を下げて笑っていた。
近くにいるかなやいも、朝からものすごいピリピリしていて。それに秋葉さんも春夏冬さんも落ち着かない様子だし。
食事をしている私たちも、内心同じ。
いつどのタイミングで声をかけられてもおかしくない状況に警戒している。



