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「──はぁ……」


夏休み明け、軽く挨拶をかわしてからほとんど溜め息のオンパレードの私と慧。

昼休み、お互いの縁談話について話そうと、私たちは皆から離れたテラスの隅の方に座った。

慧にはこっそりと、私も似たような話が持ち込まれたと言っておいたけど。


「……うちは、まわってくる前に奏矢と矢絃が処分していたの。だから知ったのは数日前って感じ」

「わたしもあれから、いくつか寄越されたぞ。ほんっと嫌になるよな。夏休みで最高のひとときを過ごしたいと思っていたのに、写真見ろってほいほい寄越されて、楽しさ半減もいいところだ」


怒りから慧はステーキにフォークを思いきり刺した。……周りに先生はいないからセーフ。


「慧も処分し続けてるの?」

「それ以外ないだろ?……っていうか!美青も処分されてるってことは、その気はないんだよな?わたしを差し置いてどこぞの馬の骨を相手にしないよな?」

「馬の骨って……。ま、ないわよ。でも嫌がるだけでは済まされないのも事実。だからどうかわすか考えてるところ」