思いきり反発すれば、無理矢理にでも見合いをすすめられ、会わざるを得ない状況を作り出すことも十分可能性としてはある。


旅行での返事を先延ばしにするのも、よくない状況を作り出す要因になりそうだから、うまく立ち回らないと。


「オジョー?どしたの」

「……奏矢も矢絃も、佐藤やお父さんからじーちゃんのことを詳しく聞いておいて。ほとんど会ったことないでしょう」

「そらそうだけど……」

「会社のことしか考えてない、そんな人よ。だから片っ端から目つけてまた送ってくるに違いないわ。その気がないのに、勝手に決められちゃ困るのよ。……夏休み明けから、長期戦になるわきっと」


絶対。


「とりあえずじーさんのことは聞いとく。後、この件は佐藤さんも知ってるからよ、俺らと同じであまり良くは思ってねぇみたいだぜ?一応お嬢様に任せるとは言ってたけど」

「旅行の帰りにも、そのおじーさんから一斉に送られてきて……"美青に縁談をすすめろ"って」

「そう」


だから佐藤までもあの険しさ、納得ね。

慧も私も、根回しがされ始めている。


さて……どう、逆らってやろうか。