そうそう、と矢絃は奏矢に力強く頷く。

全くこの兄弟執事はしょうがない──





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結局、かなやいの甘やかし時間が伸び、佐藤との合流はギリギリだった。


奏矢も矢絃も、佐藤から一晩どうだったか説明を求められたり。

その間、私は他のお店でお土産を買い漁り、三人のもとへと戻った。

楽しかったのなら何よりと微笑む佐藤。

だけどその帰り道、三人にだけ執事の仕事関連の連絡が来たのか、スマホを手に険しい顔つきになった。


「どうしたの?」


「……我々の休みも終わりになりますので、また気を引き締めて頑張れとの連絡でございます」

「そうそ……そうです。緩んだままじゃ夏休み明け、学園に戻れませんから」


奏矢は黙り込んでしまい、

佐藤と矢絃のどこか間のあいた返事に違和感を抱くも、深くは追求しなかった。




──この時は、執事たちの連絡に口出しするのも、と思ったから。