そうそう、と矢絃は奏矢に力強く頷く。
全くこの兄弟執事はしょうがない──
**
結局、かなやいの甘やかし時間が伸び、佐藤との合流はギリギリだった。
奏矢も矢絃も、佐藤から一晩どうだったか説明を求められたり。
その間、私は他のお店でお土産を買い漁り、三人のもとへと戻った。
楽しかったのなら何よりと微笑む佐藤。
だけどその帰り道、三人にだけ執事の仕事関連の連絡が来たのか、スマホを手に険しい顔つきになった。
「どうしたの?」
「……我々の休みも終わりになりますので、また気を引き締めて頑張れとの連絡でございます」
「そうそ……そうです。緩んだままじゃ夏休み明け、学園に戻れませんから」
奏矢は黙り込んでしまい、
佐藤と矢絃のどこか間のあいた返事に違和感を抱くも、深くは追求しなかった。
──この時は、執事たちの連絡に口出しするのも、と思ったから。



