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──朝、暑さで目が覚め、目を擦ろうにも両腕とも動かず。


そうだ……かなやいと繋いで寝たから動かないんだ。
寝る直前のことを思い出し、仕方ないから足で布団をうまいことさげていき、二人を確認──


「っ!?」


横を向いた時、すぐ奏矢の寝顔があって驚きのあまり肩が跳ねた。
そして恐る恐る逆側も見れば、こちらも矢絃の寝顔が。
二人共、私の布団に入ってきていた。


なるほど──暑さの原因はこれか。

手だけだったはずなのに……。


「……ん、お嬢?はよ……」
「んー、オジョー柔らかくて気持ちいー」

「二人とも……暑い離れて」


動いても起きようとしても、いっこうに離れる気配はなく。目を閉じているかなやい。


「ちょっと」

「オジョーがちゅーしてくれたら起きれる」
「俺もされたら起きる」


断固として起きようとも離れようともしない。


「……何言ってるの。寝ぼけてないで起きて支度して」


力ずくで起こしにかかり、ムリムリ二人から離れれば奏矢も矢絃も顔をしかめ、もう一度私を掴まえにきた。


「離れるの禁止。いーじゃん帰ったらもう夏休み終わりも同然なんだよ?」
「男二人が仕方なく、頑張って、健全な夜を過ごしたんだからいいじゃねぇか。ちょっとくらい」