重いけどいいの?お嬢サマ


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なんて胃袋してるのか……


細い奏矢と矢絃からは想像がつかないほど、バイキングでは様々なものを食べていた。

私の隣に座る座るとバチバチし合うところから始まり、周りに迷惑がかからないよう私は一人で座り、かなやいを隣同士で座らせた。
むつけていたものの、バイキングのおかげですぐご機嫌。


だけどこの後がもう……私が食べ終わっても、テーブルは二人の皿で埋めつくされて。


『まだ食べるの?』

『全然食う。お嬢てきとーに寿司追加』
『このケーキヤバいね。あと三個。オジョー行ってきて』


食べ終わった主の私をパシリに使う執事たち。

それは別に構わない。私たちを知る人は周りにいないから。
けど、こんな食べるとは思ってなかった。


──本当、どこに入ってんのか不思議。



「はー食った食った。明日の朝もあれ食えのかと思うと最高だな」
「そうだオジョー、部屋に戻ったら帯のアーレーってやつしようよ」 
「なんでよ……奏矢にやったら?」
「オジョーだからいいんじゃん」

「いやよ。むしろ奏矢に矢絃がやってもらえば?ね、ヤイコちゃん?」
「……ふっ、あははは!」

「ちょっと……それは思いつきの名前だから。奏矢笑いすぎ」


私の肩を掴みながら笑う奏矢。
矢絃はそんな奏矢を睨み可愛らしくいじけ、私たちの少し前を歩き出した。