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「おお!美青、久しぶりだな!」
矢絃のゲームで当たった古民家宿への旅行の予定は組めたけど、慧と夏休みは会おうと約束をしていたため、今日はかなやいも連れてお邪魔した。
遠いわけではないから、たまには、と送迎は断り電車で来た私たちを、慧と秋葉さんが出迎えてくれた。
「久しぶりって……そんな経ってないでしょ?」
「学園でも寮でも毎日のように会ってると、数日でも寂しいもんだぞ?」
「……まぁ、そうかもね」
顔を見るなりくっついてきた慧から熱烈な歓迎をうけ、咳払いをした秋葉さんのもと、慧の部屋へと通してもらうことに。
──なんとなく想像はしていたけれど、私の想像通り期待を裏切らない部屋で……。
「慧、一応聞くけどこれはあえて、なの?」
床に散らばる服や靴下、机には山盛りのぬいぐるみやノート……その中に埋もれたタオルが垂れ下がっている。
入るなり、おいでおいでと言う慧へ尋ねれば、慧は満面の笑みを浮かべた。
「ああ、これがわたしの普通!いつもは春夏冬と秋葉が片してくれるんだけど……美青には隠すな、って言ったんだ」
「……申し訳ございません、一条様。口酸っぱく部屋を片付けるようお伝えしたのですが……。私たちも片付けようとすれば止められ、この部屋を晒すことになってしまいました」



