ぐっと二人を押して離れるも、途端に眉間にシワが寄る兄弟。……なんでよ。要望には応えたはずなのに。
「ちぇ、もう終わりなの?オレ足りない」
「終わりなの。帰ってきたんだから、奏矢も矢絃も少しは羽を伸ばさないと。ただでさえ執事はどこにいても休む時間が限られてるんだから」
「ま、確かに?夏休みはなげぇし、足りない分は夏休み中に補充するってことで」
「そうそう……って、なに?奏矢今なんて?」
再びバッグに手をいれたところで、テキトウに相槌をうってしまった私は振り向く。
すると、満足げににやつく二人が……。
あー……なんか嫌な予感。
「今の言質とったからな」
「うん、オジョーの許可出た」
「いやっ、違うの。許可を出したわけじゃ」
「よし矢絃、俺らも一旦片付けてこようぜ」
「そうしよ」
ちょっと!と、止める私に振り向きもせずかなやいは部屋を出て行った。
静かになった部屋、二人が去ったドアを見つめながら立ち尽くす。
帰ってきて早々……夏休み中も、休まるのか分からなくなってきた。



