私、殺されたの。

パシッ、と何かが私の腕を掴む。

考える暇もない。ただただ、地面へと落ちて行く。

死ぬ時って、意外と長い。走馬灯みたいに、次々と記憶が蘇る。

私、あの子と一緒に死ぬんだ。道連れにされたんだ。やっと、理解する。

あの子の目は、キラキラと輝いている。死ぬ直前なのにも関わらず、楽しそうに、空を飛んでいる。

グシャッ、と近くで音がした。次に、またグシャッと音がする。

え、何これ、痛い。苦しい。死ぬ時ってこんな感じなんだ。

全部が痛い。身体の中も、外も。

腕は、掴まれたまま。弱く、けれどしっかりと掴まれている。

あの子はニコッと笑った。考える暇もない。