アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「野田さんが、そんな人とは思わなかったわ……。ねえ、父さん?」と母は言い、
「まあ、そうだな」と父は返したのだけど、

「だから俺は姉貴の見合いに反対だったんだ!」
と、誠が吐き捨て、隣で亮が、「おー」と小さく感嘆の声を漏らした。

「姉貴は、自分を安売りすべきじゃない」

誠が私に向かってそう言ったら、

「その通り」

と亮が言った。母と父はポカンとしてたけど、誠は、

「吉田さんとは話が合いそうだ」
と言い、亮は小さく頷いた。ところが、

「姉貴は結婚なんてしなくていいんだ。何なら一生」

と誠が続けて言うと、亮は「それは違うな」と呟いた。

この流れで亮は結婚の話をするのかなと思い、でもそれはまだ早いと思われ、彼の腿を抓るべく手を近付けたのだけど、亮にその手を押えられてしまった。

そして、私を見るその目は、

『その手はもう食わねえぞ』もしくは『心配すんな』と言ったと思う。
あるいはその両方かも。