アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「それはちょっと……今日でなくても良いのではないかしら?」
「俺が行った方が話が早いし、ご両親に挨拶したい。一石二鳥だと思うんだ」

なるほど、それはそうかもだけど……あ、大丈夫だ。どうせ父はいないから。

「父はいないと思うの。休日は大抵ゴルフだから。野田さんの事は私一人で話す。その方が話しやすいから。だから、亮に来てもらうのは、また今度にしましょ?」

という事で、私はホッとした。先延ばししても意味ないのは解るけど、両親に亮を引き合わせるのは、ちょっと、いやかなり恥ずかしいから。

「念のため聞いてみてよ。ダメ元で」

そう言われたら拒むのも変なので、Line通話で母に聞いてみる事にした。

『葉子、どうしたの?』
「お父さんって、今日もゴルフだよね?」

『ううん、家にいるわよ』
「なんでいるのよ?」

『なんでって、ゴルフじゃない日もあるでしょ?』
「あ、わかった。具合が悪くて寝てるんだ。ね、そうでしょ?」

私は話を合わせるよう、母に念を送ったのだけど、

『ピンピンしてるわよ』
やはり伝わらなかった。

『野田さんをお連れするのね?』
「え、それはその……」

『やっぱりね。そんな予感がしたの。父さんにも誠にも出掛けないように言っておくわね』
「なんで誠まで?」

『よくわからないけど、野田さんに会いたいみたいよ? 何時頃になるの?』

私は口パクとジェスチャーで亮に予想帰宅時刻を聞き、母にそれを伝えて通話を終えた。

ああ、嫌だなあ……