アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「そうですか。では早急に教育係を決めますね」

うちの職場では、新人に対してはなるべくベテランの社員を教育係にして、その新人が独り立ち出来るまで、マンツーマンで指導するルールになっている。

例え一年だけとは言え、ルール通りにやろうと思ったのだけど……

「それは北野君にやってほしいんだ」

と部長に言われてしまった。

「なぜですか?」
「それは、その……吉田君は有望な新人だから、優秀な北野君に指導してほしいと言うか……」

なぜか部長が言い淀んでいると、

「本人の強い要望です」

と、部長の言葉を真似て吉田君が言った。悪戯っ子みたいな顔で。
彼って、ユーモアのセンスがあるみたい。

でも、なぜ吉田君は私を、なの?

「いいかな?」
「わかりました」

疑問は残るものの私に拒否権はなく、強いて抵抗する理由もないのでそう答えた。

あっ。という事は、年休を使って帰るという計画は、なしということか。とほほ……