アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました



何だろう。ドキドキはしたのだけど、味気ないというか、こんなもの? って思ってしまった。

”予習”によれば、キスで互いの興奮が高まり、そして激しいアレへと進展するはずなんだけどな。

「葉子、俺をからかってないよな?」
「え? からかってなんていないよ。どうして?」

亮は、どうしてそんな事を言うんだろう。私が亮をからかうなんて、するわけないのに……

「だよね。だとすると、もしかして、初めて、とか?」
「実は、そうなの。この歳で恥ずかしいんだけど」
「やっぱりそうか。葉子の初めての相手になれて、俺は嬉しいよ」

亮はそう言って、私の頭をそっと撫でてくれた。それがとても気持ちいいと思った。キスよりも。

「今のはね、本当のキスじゃないんだ」
「そうなの?」

「ああ。本当のキスを教えてあげるよ。唇を少し開いて、苦しくなったら鼻で息をする事。それと、何かが入って来ても、噛んだり抵抗しない事。いいね?」

「うん。でも、何かって何なの?」
「すぐに判るよ」

再び亮の顔が迫って来て、私は亮が言った通りにしたのだけど……