アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

亮君は、私から顔を上げ、怒った顔で私を見た。でも、彼が何で怒ったのかが解らない。

「そうやって子ども扱いされるのが嫌だから、今まで言わなかったんだ。あの頃のガキのイメージで、葉子と再会したくなかった。
でも、葉子にとって俺は、やっぱりガキなのか?」

ああ、それで亮君は怒ったのね。

探るように私を見る亮君を見つめ、考えた。目の前の亮君が、あの小さかった亮君に見えるのかを。すると、答えはすぐに出た。

「ううん。あなたはやっぱり”亮君”じゃない。”吉田君”だわ」

「…………はあ?」

あれ? 簡単明瞭に言ったはずなのに、亮君には伝わってないのかな。
じゃあ、もう少し丁寧に言い直そうっと。

「あのね、あなたが”亮君”なのは理解したけど、私の中では”吉田君”なの。オッケー?」

「オッケー、じゃない。もっと解りやすく言ってくれよ」

もう……なんで解らないのかなあ。

私は体を吉田君に向け、ギュッと彼に抱き着いた。

「あなたは子どもなんかじゃない。立派な大人の男性よ。とっても素敵で、大好きな人よ?」

最後に余計な事を言ったような気もするけど、まあいいか。

「わ、解った。ありがとう。良かった。でも、もう少し話というか、説明したいんで、少しだけ放れてもらえないかな?」