アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「うわあ、綺麗!」
「でしょ? 最初に見てもらおうか迷ったんですが、もったいつけちゃいました」

「いつまでも見ていられるわね?」
「それは今度にしてください」

「はい」

怒られちゃったみたい。でも、”今度”って事は、また来ていいって事よね。嬉しいわあ。

「誤解を解いておきたいんです」

吉田君は真剣な眼差しでそう言った。

「誤解って?」
「葉子さんは、俺と西野裕子の事を誤解してますよね?」

「誤解じゃないでしょ?」
「俺とあいつは、ただの同期です」

「それは嘘」
「ほら、やっぱり誤解してる」

「だって、神崎さんが、”彼女はどうしてる?”って、吉田君に言ってたじゃない。その彼女って、裕子ちゃんでしょ?」

「そうです」
「やっぱりそうなんじゃない」

「違います。征一さんが言った”彼女”は、英語で言えば"She"です。"Lover"ではなく。解ります?」
「解りません」

「じゃあ、これでどうでしょう。征一さんと裕子は、相思相愛の間柄です」

「嘘でしょ? だって、神崎さんにはフィアンセがいるでしょ? とびきりゴージャスな」
「確かに。今ごろは相当揉めてると思いますよ。これで誤解は解けましたよね?」

「それはまあ、はい」
「良かったー」

吉田君は余程嬉しいのか、缶ビールを美味しそうに飲んでるけど、私はそうでもない。お茶が苦い。

だって、障害が3つから2つに減っただけだから……