アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「やっぱり、パートナーさんがいるんじゃない!」
「え?」
「証拠品がいっぱい!」

と言って、私は女性用品の諸々を顎で指し示した。
頭脳明晰な吉田君らしからぬ失敗だわ。

「ああ、なんだ。それ、全部葉子さん用ですよ」
「へ? そうなの?」

「はい。前に用意しておきました」
「前って、いつなの?」

「さあ、忘れました」

忘れる程、前なの? なんで?
私の頭の中は、疑問符でいっぱいだった。

「とにかく葉子さんは風呂に入っちゃってください」
「あの、もしかして、着替えも……?」

用意してくれたのかな、と思ったのだけど、

「さすがにそれは無理なので、俺のスウェットとトレーナーを置いておきますね」
「そ、そうよね。ありがとう」

何だか、考えるべき事が色々あるような、そうでもないような……
頭の中が混乱しつつも、しっかり体の隅々まで綺麗にしてお風呂を出たのだった。