アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

部長が横に動くと、すらっと背の高い男性が現れた。

「新入社員の吉田亮平君だ」
「吉田亮平です。よろしくお願いします」

吉田君は、細身でとても背が高く、細面の顔は整い過ぎと思うほど端正で、かつ凛としていて、要するに超が付く程のイケメンだった。

意外に声は低く、少し切れ長な目で私を見る吉田君は、少し微笑んでるように見えるのだけど、私の思い違いだろうか。

「こちらは業務課長の北野葉子君」
「北野です。よろしくお願いします」

実は私、吉田君に見覚えがあった。

数日前、中二階のコンコースを10人あまりの若い男女が、並んで歩いていた。

彼らは今年の新入社員と思われ、揃えたかの如く、皆一様に髪の毛は真っ黒で、黒のリクルートスーツを身にまとっていた。

一人を除いて。