アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

吉田君のマンションに入ったけど、なんだか違和感を覚えた。その訳は……

「驚いたでしょ? 何も無くて」

という事だった。
最低限の家具や電化製品しか見当たらなくて、ただでさえ広い部屋が、やたら広く見える。

「うん。どうしてなの?」
「住み始めたばかりだし、家具とかはパートナーと相談して揃えたいんだ」

”パートナー”と聞いて、私は周りをキョロキョロ見渡した。でも、それらしい人の姿はない。

「今はいないみたいね。パートナーの人」
「いないですよ、まだ」

「まだ?」
「近い将来、出来ると思ってます。それより葉子さん、かなり酔ってますよね?」

あ、そうだった、忘れてた。今夜はお酒をいっぱい飲んでたんだった。だからふわふわするのかあ。

「だからあんな事、言ったんですね?」
「あんな事って?」

「”させてあげる”ですよ」
「あ、ああ、あれね。えへへ」

恥ずかしいので笑ってごまかした。

「今夜は大人しく寝てください」