アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「じゃあ、ヒント。なぜ、俺はここにいるんでしょうか?」
「偶然でしょ?」
「なわけないでしょ。葉子さんを尾行したからですよ」

尾行?

「じゃあ、吉田君が出て行ったまま、職場に戻らなかったのは……」
「変装して隠れるためです。変装に手間取っちゃって、焦りましたよ」
「そうだったのね。でも、どうして尾行なんてしたの?」

「葉子さんが心配だったからです。自分でもやり過ぎかな、と思いましたが、結果的に尾行して良かったと思ってます。おかげで葉子さんのピンチを救えたので」
「そうね。ありがとう」

どうして、そこまで心配してくれたのか、という新たな疑問が出来たけど、質問づくしなので聞かない事にした。
もっとも、吉田君は心配性だから、というのが答えだと思うけどね。

「あーあ。変装は無駄だったな。今度征一さんに会ったら、文句言ってやろうっと」

とか言いながら、吉田君はキャップを脱ぎ、サングラスを外した。