アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「なんで、俺って判ったんですか?」

ああ、その”なんで?”だったのかあ。

「だって、あなたは吉田君でしょ?」
「そうですけど、俺は変装してるんですよ?」

変装ねえ。確かに吉田君は変な、と言うか、らしくない恰好をしていた。
黒のキャップを目深に被り、濃い色のサングラスを掛け、黒のプリントTシャツに黒のジーンズに黒のスニーカー。

上から下まで黒ずくめだ。

「なんで変装してるの?」
「征一さんの真似です」

「はあ?」
「それは冗談ですけど、分かりませんか、俺がなぜ変装してるか」

分からないから聞いてるのに、吉田君って意地悪だなあ。