その晩、私は野田さんと食事をし、その後はバーへ行き、ウィスキーの水割りを3杯、いやもっとかな、を飲んだ。
吉田君は職場を出て行った後、そのまま戻って来なかった。どこへ行っちゃったんだろう。
それと、どうしてあんな顔をしたんだろう。
私はずっと、それを考えていた。
吉田君も私の事を……
なんて事も思ったけど、そんなはずない。だって、彼には裕子ちゃんがいるし、私なんて7つも年上だし、一般人だし……
飲み過ぎたせいで、バーを出たところで足がもつれ、よろけて、野田さんに体を支えてもらった。
「おっと、大丈夫ですか?」
「ごめんなさい」
「今夜は飲み過ぎちゃいましたね?」
「そうみたいです」
「どこかで休みませんか? ホテルとか」
「そ、それは、ちょっと……」
いくら経験のない私でも、この状況でホテルへ行ったらどうなるか、ぐらいの事は解る。
「僕達、そろそろ、いいでしょ?」
「何がそろそろ、なんですか?」
「イライラするなあ。いい歳してカマトトぶるなよ」
え?
驚いて野田さんを見たら、ギラギラした目付きで私を睨んでいた。私は咄嗟に、経理の青山を連想した。
「いいから、着いて来いよ。ホテルはすぐそこだから」
野田さんに腕を掴まれ、引っ張られてしまったけど、
「嫌です。放してください!」
私は全力で野田さんの手を振り解いた。すると、
「このアマ……」
と言い、野田さんは私に向かって手を振り上げた。
ぶたれる、と思った私は、両手で顔を覆って目をつぶり、衝撃に備えた、のだけど……
吉田君は職場を出て行った後、そのまま戻って来なかった。どこへ行っちゃったんだろう。
それと、どうしてあんな顔をしたんだろう。
私はずっと、それを考えていた。
吉田君も私の事を……
なんて事も思ったけど、そんなはずない。だって、彼には裕子ちゃんがいるし、私なんて7つも年上だし、一般人だし……
飲み過ぎたせいで、バーを出たところで足がもつれ、よろけて、野田さんに体を支えてもらった。
「おっと、大丈夫ですか?」
「ごめんなさい」
「今夜は飲み過ぎちゃいましたね?」
「そうみたいです」
「どこかで休みませんか? ホテルとか」
「そ、それは、ちょっと……」
いくら経験のない私でも、この状況でホテルへ行ったらどうなるか、ぐらいの事は解る。
「僕達、そろそろ、いいでしょ?」
「何がそろそろ、なんですか?」
「イライラするなあ。いい歳してカマトトぶるなよ」
え?
驚いて野田さんを見たら、ギラギラした目付きで私を睨んでいた。私は咄嗟に、経理の青山を連想した。
「いいから、着いて来いよ。ホテルはすぐそこだから」
野田さんに腕を掴まれ、引っ張られてしまったけど、
「嫌です。放してください!」
私は全力で野田さんの手を振り解いた。すると、
「このアマ……」
と言い、野田さんは私に向かって手を振り上げた。
ぶたれる、と思った私は、両手で顔を覆って目をつぶり、衝撃に備えた、のだけど……



