アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

その晩、私は野田さんと食事をし、その後はバーへ行き、ウィスキーの水割りを3杯、いやもっとかな、を飲んだ。

吉田君は職場を出て行った後、そのまま戻って来なかった。どこへ行っちゃったんだろう。
それと、どうしてあんな顔をしたんだろう。

私はずっと、それを考えていた。

吉田君も私の事を……

なんて事も思ったけど、そんなはずない。だって、彼には裕子ちゃんがいるし、私なんて7つも年上だし、一般人だし……

飲み過ぎたせいで、バーを出たところで足がもつれ、よろけて、野田さんに体を支えてもらった。

「おっと、大丈夫ですか?」
「ごめんなさい」
「今夜は飲み過ぎちゃいましたね?」
「そうみたいです」

「どこかで休みませんか? ホテルとか」
「そ、それは、ちょっと……」

いくら経験のない私でも、この状況でホテルへ行ったらどうなるか、ぐらいの事は解る。

「僕達、そろそろ、いいでしょ?」
「何がそろそろ、なんですか?」

「イライラするなあ。いい歳してカマトトぶるなよ」

え?

驚いて野田さんを見たら、ギラギラした目付きで私を睨んでいた。私は咄嗟に、経理の青山を連想した。

「いいから、着いて来いよ。ホテルはすぐそこだから」

野田さんに腕を掴まれ、引っ張られてしまったけど、

「嫌です。放してください!」

私は全力で野田さんの手を振り解いた。すると、

「このアマ……」

と言い、野田さんは私に向かって手を振り上げた。

ぶたれる、と思った私は、両手で顔を覆って目をつぶり、衝撃に備えた、のだけど……