アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

エレベーターを降り、レストランへ入ると、そこは広くて明るくて、落ち着いた雰囲気のお店（？）だった。
ウェイターさんに案内され、椅子を引いてもらって座ったのは、外の景色が良く見える、窓際の席だった。ここって、特等席じゃないかしら。よくわからないけど。

ウェイターさんがうやうやしくお辞儀をして去ると、

「あ、いたいた」

と吉田君が呟いた。

「食事の前に、少し挨拶したい人がいるんですが、いいですか？」
「ええ、いいわよ」

吉田君が椅子から立ったので私も立ち、彼が側に来てまた肘を曲げたので、私は彼の腕をそっと持った。
こういうの、少し慣れたかもしれない。

「お友だち？」

と私が聞いたら、吉田君は私の耳元に口を寄せ、

「本物の御曹司です」

と囁いた。私が驚いていたら、

「中身は普通の人ですから、緊張しないでくだい」

って言われた。それはそうかもだけど、”御曹司”なる人に会ったことも、見たこともないわけで、緊張するのは無理ないと思う。

吉田君のエスコートで歩いて行くと、やはり窓際の席に座る、一組の男女が見えてきた。