アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

母がリモコンでテレビを消した。真剣に見てたわけじゃないから、構わないけど。

「支店長から頼まれてな……」

父は銀行に勤めている。そこの支店長さんは家に来た事があり、私も面識があった。
偉い人に有りがちな、ちょっと強引な感じのする人だったと思う。

その支店長さんから頼まれた事って、何なんだろう……

「お見合いよ」
「お見合いって、私の!?」

全くの想像外で、思わず大声を出してしまった。今まで、お見合いなんて一度もした事はない。

「あたりまえでしょ?」
「支店長の親戚の青年らしいんだが、ぜひ葉子に引き合わせたいとおっしゃってな。やっぱり、断ろうか?」
「お父さん、余計な事は言わないで!」
「す、すまん」

どうやら母はこの話に乗り気で、父はそうでもないらしい。