アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

亮君の夢を見た。

亮君は、黒縁の眼鏡を掛けた小柄な男の子。女の子みたいな顔立ちで、とても可愛い子だった。

『こんにちは、葉子先生』

亮君は、小走りで私の前に来て、少し頬を紅く染め、はにかんだ顔で私を見上げている。

『亮君、こんにちは』
『僕、大きくなったら葉子先生の恋人になりたい。いい?』

こ、恋人?
亮君って、そういう事を言う子だったかなあ。

『ん……いいわよ』

目をキラキラさせて私の返事を待つ亮君に、私はそう答えてあげた。
がっかりさせたくないからね。

『やったー! そしてね、僕のお嫁さんになってくれる?』
『亮君と私が結婚するってこと?』
『うん!』

結婚の意味、解って言ってるのかしら。まあ、いいか。どうせ夢なんだし。

『そうね……いいわよ。亮君が大人になったらね』
『やったー! 僕が大人になるまで、待っててね。葉子先生』
『うん、待ってるね』

『さよなら。葉子先生』
『さようなら。亮君』

もう、亮君ったら、おませで可愛いんだから……って、え?

亮君はもう、この世にいないんじゃ……

それにしても、なんでこんな夢を見るんだろう。

私って、実は結婚願望があるのかしら。

と私は考えていた。夢の中で。