倉田麻衣ちゃんから話があると言われ、私達は女子の休憩室に来た。話の内容には、およそ想像はついていたけども。
「私に話って、何かしら?」
「昨日の噂は本当なんですか?」
やっぱりそれかあ。それにしても、麻衣ちゃんの私を睨む目が怖い。
「どんな噂?」
噂の内容については、私も知りたい気がするので聞いてみた。
「それは、あの……言いにくいんですが、喫茶コーナーで北野さんと吉田さんが、抱き合っていたとか、北野さんが吉田さんに抱き着いて迫ってたとか……」
想像した通り、事実に尾ひれが付いてるみたい。
「それはないわ」
「本当ですか?」
「本当よ。抱き合ったなんてないし、私が抱き着いたなんて絶対ない。ただ、吉田君が横に来て、肩が触れ合ったりはしたから、それが誤解を生んだのだと思う」
「それってグレーですよね? 触れ合ったのは事実なんだから」
「そ、そうね。確かに」
麻衣ちゃんって、意外にきついわあ……
「じゃあ、キスしてたっていうのは、嘘なんですね?」
「き、キス? それはないわ。たぶん……」
あ、しまった。わざわざ突っ込まれるような言い方をしてしまった。
「曖昧なんですね。どうしてですか?」
当然ながら、そこを突っ込まれるわけで、
「だって寝てたんだもん。徹夜明けで、眠くて眠くて……」
正直に白状する私だった。
実際のところ、どうなんだろう。まさか、常識ある大人が会社でそんな事をするとは思えないけど、吉田君が常識人かは甚だ疑問。
スキンシップが好きそうで、人目を気にしない吉田君なら、あるいは……という気がしないでもない。本人に聞いてみようかなあ。私のファーストキスが、知らぬ間に奪われたのかどうかを。
「私に話って、何かしら?」
「昨日の噂は本当なんですか?」
やっぱりそれかあ。それにしても、麻衣ちゃんの私を睨む目が怖い。
「どんな噂?」
噂の内容については、私も知りたい気がするので聞いてみた。
「それは、あの……言いにくいんですが、喫茶コーナーで北野さんと吉田さんが、抱き合っていたとか、北野さんが吉田さんに抱き着いて迫ってたとか……」
想像した通り、事実に尾ひれが付いてるみたい。
「それはないわ」
「本当ですか?」
「本当よ。抱き合ったなんてないし、私が抱き着いたなんて絶対ない。ただ、吉田君が横に来て、肩が触れ合ったりはしたから、それが誤解を生んだのだと思う」
「それってグレーですよね? 触れ合ったのは事実なんだから」
「そ、そうね。確かに」
麻衣ちゃんって、意外にきついわあ……
「じゃあ、キスしてたっていうのは、嘘なんですね?」
「き、キス? それはないわ。たぶん……」
あ、しまった。わざわざ突っ込まれるような言い方をしてしまった。
「曖昧なんですね。どうしてですか?」
当然ながら、そこを突っ込まれるわけで、
「だって寝てたんだもん。徹夜明けで、眠くて眠くて……」
正直に白状する私だった。
実際のところ、どうなんだろう。まさか、常識ある大人が会社でそんな事をするとは思えないけど、吉田君が常識人かは甚だ疑問。
スキンシップが好きそうで、人目を気にしない吉田君なら、あるいは……という気がしないでもない。本人に聞いてみようかなあ。私のファーストキスが、知らぬ間に奪われたのかどうかを。



