アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

その翌日。

私が社内を歩いていると、私を見てヒソヒソ話をするのを何度も見かけた。中には私を指さす人も……
吉田君と歩いていると、それがもっと多いと思う。今みたいに。

「やっぱり、心配した通りになっちゃった」

私はそう呟いた。横を歩く吉田君に、ぎりぎり聞こえるぐらいの声で。

「何がですか?」

吉田君は普通の声で返してきた。もう少し声を落としてほしいけど、まあいいわ。

「誰かに見られたみたい。昨日の、喫茶コーナーの私達」
「そうなんだ。それで?」
「私達、社内で噂になってると思う。ある事ない事、尾ひれを付けて……」

「へえ〜。みんな暇なんですね」
「人は噂話が好きなのよ。でも困ったわ……」

「困るんですか?」
「あたりまえでしょ? 吉田君だって困るでしょ?」
「俺は全然かなあ」

その言葉の通り、吉田君はケロッとしていた。むしろ喜んでいるようにさえ見えた。
そういうのを、”男らしい”って言うのかな。