アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

吉田君にプリペイドカードの購入と使い方を教え、早速それを使って日替わり定食を買った。今日のメニューはチンジャオロースだ。本当は、私だけお蕎麦か何か、軽い物にしたかったのだけど、売り場が違うから吉田君と同じ物にした。

社食のテーブルに向かい合わせで腰掛けたのだけど、周囲の、特に女子からの視線が痛い。もちろん、視線の先は吉田君だ。無理もないと思うけど。

「旨そうだな、これ。いただきまーす」

と言って、吉田君はチンジャロースにお箸を差し込んだ。

『こんなの食えねえよ』とか言われたら嫌だなと思って見てたら、すぐに美味しそうにモリモリと食べ始めた。よかった……

「葉子さんも食べなよ。意外と旨いですよ、これ」
「う、うん」

もう……。下の名前で呼ぶのは二人きりの時、って決めたんじゃなかったの?
吉田君の隣にいる年配の女性が、私達を交互に探るように見るので居心地が悪かった。たぶん、知り合いの人ではないと思うけど。

昼食後、私達は研修を兼ねて隣の喫茶コーナーへ移動した。