アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

目指す森山明美は席にいて、仕事もせずにネイルアートでゴチャゴチャした自分の指先を眺めていた。

「森山さん、ちょっといいかしら?」

と私が横から声をかけると、彼女はゆっくりと私の方を向き、

「なんですかあ?」

と、呑気そうな声で言い、私を怪訝そうな顔で見上げた。座ったままで。

森山明美は、たぶん23か24歳ぐらい。年上の私に向かってその無礼な態度に、怒鳴りつけたい衝動を私はグッと堪えた。

「これ、あなたが登録したのよね?」

私はポケットから登録ミスしたマスターの画面印刷を取り出し、森山明美の目の前に突き出した。

「覚えてないなあ。それがどうしたの?」

なんでタメ語なのよ!

「ここの区分が違ってるでしょ?」

私は問題の個所を指さした。