肩に感じる吉田君の手は、大きくて暖かかった。こんな風に男の人に触られた事って、あったかな。
「ちょっと、放し……」
私は体をよじり、”放して”と言おうとしたのだけど……
「動かないで」
と言われ、じっとしていたら、後頭部あたりを優しい感じで撫でられてしまった。
男の人からこんな事をされたのは初めてで、でも不快に思わないのは、たぶん相手が吉田君だからだと思う。
「やっぱり、撫でたぐらいじゃ直りませんね。コレ」
「コレって?」
「寝癖」
ね、寝癖!? 恥ずかし過ぎる……
「お湯で濡らさないと、直りそうもないですね」
「う、うん。じゃあ、直して来るから、吉田君はここで待っててくれる?」
と言いながら、私はくるっと吉田君を向いた。
「いいですけど、”吉田君”? 今は二人きりですよ?」
「あ、えっと……”亮君”」
「よろしい」
吉田君は、ニコッと微笑み、私の頭に手を乗せた。大人が子どもに、”いい子いい子”するように。
吉田君って、変わってる。私なんかをからかって、何が楽しいんだろう。
って言うか、変なのは私の方かもしれない。さっきから、胸がドキドキしっぱなしだから。
「ちょっと、放し……」
私は体をよじり、”放して”と言おうとしたのだけど……
「動かないで」
と言われ、じっとしていたら、後頭部あたりを優しい感じで撫でられてしまった。
男の人からこんな事をされたのは初めてで、でも不快に思わないのは、たぶん相手が吉田君だからだと思う。
「やっぱり、撫でたぐらいじゃ直りませんね。コレ」
「コレって?」
「寝癖」
ね、寝癖!? 恥ずかし過ぎる……
「お湯で濡らさないと、直りそうもないですね」
「う、うん。じゃあ、直して来るから、吉田君はここで待っててくれる?」
と言いながら、私はくるっと吉田君を向いた。
「いいですけど、”吉田君”? 今は二人きりですよ?」
「あ、えっと……”亮君”」
「よろしい」
吉田君は、ニコッと微笑み、私の頭に手を乗せた。大人が子どもに、”いい子いい子”するように。
吉田君って、変わってる。私なんかをからかって、何が楽しいんだろう。
って言うか、変なのは私の方かもしれない。さっきから、胸がドキドキしっぱなしだから。