アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

「はい。そうですが?」

と亮が答えると、父は慌てて立ち上がった。

「気付くのが遅れて申し訳ありません。お見かけしたのは一度きりで、遠目だったもので……
私はその……あれ、名刺は無いか。〇✖銀行で次長をしております北野と申します。日頃は当行をお引き立て戴きまして、ありがとうございます」

なんて、すっかりお仕事モードになっていた。父は次長だったのか。知らなかった。
亮も立ち上がり、「いえいえ、こちらこそ」と言った。

「お父さん、座ってよ。亮が困ってるから……」

うっかり”亮”って言っちゃったけど。もういいよね?

「そうだな、ごめんごめん。どうぞお座りください」

亮が座り、父が座った。改めて思ったけど、父も会社で苦労してるんだろうな……

「こちら、そんなに偉い方なの?」

母が小声で父に聞いた。丸聞こえだけど。

「ああ、もちろん。吉田コンツェルンの会長、吉田泰造氏のご子息で、次期会長と言われている」

「吉田コン……って?」

「それはね」

誠が会話に加わった。

「吉田コンツェルンは、日本経済を牽引すると言っても過言ではない、大財閥だよ。つまりこの方は、御曹司中の御曹司って事さ。
だよな、姉貴?」

「う、うん」

って返事したものの、実はそこまでとは知らなかった。

「誠、よく知ってたわね?」と母が言うと、
「俺も一応は社会人だから」と、誠はドヤ顔をした。