拝啓、愛すべき総長サマ。



「潔木の周りいる連中は、みんな潔木と喧嘩をして…負けたことがある奴ら。潔木は基本自分から喧嘩を仕掛けるようなことはしない。自分より弱い相手に手を出さない…って、まじカッケェよな。」

「……でも結局、喧嘩になるってことは潔木くんも手を出してるってことだよね?」

「先に一発、殴られたり蹴られたりした時だけ。”正当防衛”っていう理由でやり返す。それが潔木の喧嘩のやり方。」

「……正当防衛?」

「そう。自分の身を守るために相手を攻撃する。潔木の凄いところは…反撃の一撃で、必ず相手を気絶させてしまうところ。」


……それは、確かに凄いな。

ウチの組員にも腕っ節の立つ輩がいるが、一撃で気絶させてしまうというのはあまり聞かない。

もしかしたら潔木くんは身を守るために護身術や格闘技などを極めたりしていたのだろうか?

……だとしたら、一体なぜ?
何から身を守るために…?

「ていうか…杉野くんはどうしてそんなに潔木くん達のことについて詳しいの?」

「ん?だってやっぱ憧れるし…潔木は最高にかっこいい総長だから。」

───総長っ?!!