潔木くんの前後の席が埋まったあと、シレッと彼の隣に座っている私へと視線を送ってきたピンク頭のヤンキーと目が合った。
「…え、誰?なんで潔木の隣、座ってんの?」
アイドルのように綺麗に染められたピンク色の髪に目を向けながら、
「黒板の座席表に、名前が載っていたので…」
と、ここに座るに至った経緯を説明した。
その様子を近くで傍観していた茶髪の関西弁ヤンキーが、黙って私の後ろの席に腰を下ろす。
「なぁ…アンタ、地元この辺ちゃうやろ?」
どうやら彼は私がこの辺りに住んでいる人間では無いと見抜いたようで。振り返って目を合わせると…なんだか怪しい人間を見るような目を向けられていた。
「違いますけど…よく分かりましたね?」
「この辺に住んでる人間やったら、座席表に名前が載ってたところで潔木の隣に座ろうなんて考えるアホはまず居らん。」
「どういうこと?潔木くんって嫌われてるの?」
その瞬間、教室の中がシンと静まり返った。
──あれ…?
もしかして私、入学早々地雷踏んだ感じ…?!



