その後すぐにチャイムが鳴り、廊下の方がザワザワと騒がしくなってきたことで…入学式が終わったことを悟った。


少しして、ガラガラ…と勢いよく開かれた教室の扉。ぞろぞろと生徒たちが入ってくるのだが、彼らを見て一瞬、自分の目を疑った。


──か、カラフル!頭がとってもカラフルっ!!


入学式だというのに、入ってきた生徒たちの頭髪は金、銀、赤、ピンク、ブルーっ!!!

県外で知らない高校を受験したとはいえ、もう少し下調べをしておくべきだったかもしれない。


どうやら私は、とんでもないヤンキー高校に入学してしまったらしい。


と理解したところで…ハッと隣の席で顔を伏せている潔木くんに視線を送る。


──同志、発見っ!!

先程までこの高校がヤンキー高だと気付けなかったのは、隣に座る潔木くんの髪色が漆黒の黒髪だったという点は大きい。

カラフルヤンキーの中に紛れて入学式に出る勇気が無かったのだろうか?

やっぱり、彼とは仲良くなれそうな気がする。


と思った矢先─……


「おい、潔木っ!サボるなら声掛けろよ!」

「出なくて良いなら俺も出たくなかったぁ〜」

「あれって式典っていうの?喧嘩祭りじゃん」

「乱闘が起きるって知ってた感じ?知ってたんやったら教えてや…ほんま最悪やったで」


一際目立つヤンキー集団がこちらに向かって歩いてくる。

彼らは座席表を確認することなく、潔木くんの周辺の席を埋めるようにして座り始めた。


その瞬間、悟った。
潔木北人もそちら側の人間であるということを。