「わかりました、仕事の一つとして、お引き受けします」

「よかった、じゃあ、食事しようか」

「はい」

食事の間、まるで本当の恋人同士のような時間を過ごした。

(社長と話していると、すごく楽しい、さっきまで振られて泣いていたなんて嘘みたい)

「ここのワインはすごくうまいんだ、つぐみはお酒、飲めるだろう、俺は車だから、飲めないけど、ちょっと飲んでみてよ」

「はい、頂きます」

(本当だ、ワインおいしい、料理もおいしいし、なんか身体が熱くなってきちゃった)

「つぐみ、大丈夫?」

「大丈夫れすよ、こんなおいひいお酒飲んだことないれす」

そのあとのことは、全く覚えていない。

(頭、痛い、あれ、私、どうやって帰ってきたのかな)

するとガチャっとドアが開いて男の人が入ってきた。

「つぐみ、大丈夫か?」

つぐみの顔を覗き込んだのは光高だった。

「社長、ど、ど、どうして私の部屋にいるんですか」