かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません

つぐみはコクリと頷く。

「社長の子供だろ、愛されてもいない男の子供を生んで幸せになれるわけないだろう、堕ろせよ」

柿崎の言葉につぐみは愕然とした。

そして、つぐみは柿崎のマンションを出る決意を固めた。

しばらくして、光高はつぐみが産婦人科にに入っていく姿に出くわす。

(つぐみ、妊娠したのか、柿崎の子供を……)

光高はつぐみが産婦人科から出てくるところでつぐみの前に姿を現した。

「光高さん」

「つぐみ、ちょっと来てくれ」

光高はつぐみを車にエスコートした。

「つぐみ、お腹の子供は柿崎の子か」

「違います」

つぐみはきっぱり否定した。

光高はつぐみが嘘を言っているのだと信じて疑わなかった。

(柿崎との子でも構わない、俺はつぐみを諦められない)

光高はつぐみに意を決して気持ちを伝えた。