かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません

(私だって光高さんを求めていたんだもの)

つぐみはナイトテーブルの時計に目を向けると、深夜二時だった。

「光高さん、早くおやすみにならないと、朝になってしまいますよ」

つぐみは光高の見たこともない態度に益々惹かれていった。

朝になると、光高はつぐみに再度頭を下げた。

「つぐみ、俺は情けない男だ」

「そんなことはありませんよ」

光高はつぐみの腕を引き寄せ抱きしめた。

「つぐみ、この気持ちをどうしたらいいんだ」

つぐみは黙ったままだった。

(この気持ちって、どの気持ち?)

光高はつぐみの頬を両手で挟んで囁いた。

「愛してる」

(えっ?聞こえない、なんて言ったの?)

光高はグッとつぐみを抱きしめた。
つぐみは戸惑っていた。

光高とはかりそめの関係なのに、光高はヤキモチを妬いたり、

急に抱きしめたり、何度もつぐみを求めてくる。

(どう言うこと?)